兜って、調べ始めると価格の幅に驚きます
男の子が生まれて初めて迎える5月5日。「そろそろ五月人形を…」とネットで検索してみて、まず固まるのが価格の幅の広さではないでしょうか。3万円のものもあれば、40万円を超える鎧飾りもある。しかも写真だけでは何がどう違うのかさっぱりわからない。正直なところ、わが家も最初は「兜って全部同じに見えるんだけど…」というところからのスタートでした。
さらに悩ましいのが、五月人形とこいのぼりを両方そろえるべきなのか、誰が買うのか、そしてマンションでどこに置いてどこにしまうのか、という現実的な問題ですよね。この記事では2027年の端午の節句に向けて、種類別の相場、こいのぼりの選び方、購入時期、収納の考え方、初節句の費用まで、必要な情報をまとめて整理しました。女の子の場合のひな祭りと雛人形の費用ガイドと対になる内容なので、きょうだいがいるご家庭は両方読んでいただくと比べやすいと思います。
種類別・五月人形の価格相場
五月人形は「何を主役にするか」と「飾り方」で価格帯がほぼ決まります。まずは全体像から見ていきましょう。
| タイプ | 価格帯の目安 | 必要なスペース | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ケース飾り(兜) | 3万〜12万円 | 幅40〜60cm | ガラス・アクリルケース入り。出して置くだけでラク |
| 兜のみ(平飾り) | 5万〜20万円 | 幅40〜70cm | もっとも人気の定番。兜と屏風・弓太刀の構成 |
| 収納飾り | 6万〜18万円 | 幅40〜60cm | 台が収納箱になる。マンション向きの決定版 |
| 鎧飾り(平飾り) | 10万〜40万円 | 幅60〜100cm | 鎧一式で迫力あり。飾る手間とスペースが必要 |
| 子供大将飾り(武者人形) | 7万〜25万円 | 幅40〜70cm | 愛らしい顔立ち。兜が苦手な方に人気 |
| 木目込みの兜 | 4万〜15万円 | 幅30〜50cm | コンパクトで現代的なデザインも多い |
ここ数年の傾向としてはっきりしているのが、兜のみの平飾り・収納飾り・ケース飾りといったコンパクトタイプが主流になっていること。住宅事情に加えて、「毎年出すのが億劫になって結局飾らなくなる」という声が多いことも背景にあります。鎧飾りは確かに立派なのですが、飾るのに30分以上かかることも珍しくないんですよね。
価格差が生まれるのは主に金具や小札の作り、素材、手作業の工程の多さによるもの。同じ兜でも、量産品と伝統工芸士の手によるものでは何倍も違ってきます。ただ、金額の高さがそのまま「良い節句飾り」を意味するわけではありません。毎年きちんと飾れるサイズかどうかのほうが、長い目で見るとずっと大事です。
こいのぼりの価格 — ベランダ用と庭用で別世界
こいのぼりは設置場所によって、価格も手間もまったく変わります。マンションかどうかでほぼ選択肢が決まる、と言ってもいいくらいです。
| タイプ | 価格帯の目安 | サイズ(鯉の長さ) | 設置のポイント |
|---|---|---|---|
| 室内用・卓上こいのぼり | 3,000〜15,000円 | 30〜80cm | 玄関やリビングに。集合住宅でも気兼ねなし |
| ベランダ用(小型セット) | 15,000〜40,000円 | 1.2〜1.5m | 手すりに取り付け金具で固定 |
| ベランダ用(中型セット) | 30,000〜70,000円 | 1.5〜2m | 風の影響が大きい。規約の確認は必須 |
| 庭用スタンドセット | 50,000〜120,000円 | 3〜4m | ポール工事なしで設置可能 |
| 庭用ポール式(本格) | 100,000〜300,000円 | 5〜7m | ポール埋設が必要。庭のある一戸建て向け |
マンションやアパートの場合、まず確認したいのが管理規約です。ベランダへの取り付けを禁止している物件は少なくありませんし、落下の危険や隣戸への迷惑を考えると、規約に書いていなくても慎重に判断したいところ。風の強い日は取り込む必要があるので、共働きだと現実的に難しい、という声もよく聞きます。
その点、室内用のこいのぼりは扱いがラクで価格も手頃。玄関に飾るタイプなら3,000〜8,000円程度から選べますし、しまうときも小さく畳めます。「本物のこいのぼりを空に泳がせたい」という気持ちはよくわかるのですが、実家や祖父母の家の庭で泳がせてもらうという分担にしているご家庭も多いようですよ。
誰が買う?住宅事情と収納の現実
昔ながらの慣習では、母方の実家が節句飾りを用意するとされてきました。ただしこれは地域差が大きく、五月人形については父方の実家が用意する地域もあります。現在はかなり自由になっていて、次のようなパターンが混在しているのが実情です。
- 母方の実家が購入 — 伝統的なパターン。雛人形と同じ考え方に沿ったもの
- 父方の実家が用意 — 五月人形は「跡取りの初節句」として父方が出す地域も
- 両家で費用を折半 — 近年増えているスタイル。負担も気持ちも偏りません
- 親自身が購入し、祖父母からはお祝い金 — 置き場所と好みを優先できる現実的な形
いちばん揉めやすいのが、両家に相談せずに先に買ってしまうケースです。「うちが買うつもりだったのに」となると、しこりが残ってしまいますよね。逆に、両家とも「あちらが用意するだろう」と思っていて誰も動かない、というすれ違いもあります。年内か遅くとも2月ごろに「五月人形どうしようかと思っていて」と切り出しておくと、自然に話がまとまりやすいです。
そして、お金を出してもらう場合ほど強くおすすめしたいのが「選ぶのは親、支払いは祖父母」という分担。理由はシンプルで、置き場所と収納場所を知っているのは親だけだからです。良かれと思って祖父母が選んだ鎧飾りが、うちのマンションの押し入れにどうしても入らない、というのはよくある話なんです。
| チェック項目 | 測る場所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 飾る場所の幅・奥行き | 玄関の下駄箱の上、リビングのチェスト上など | 子どもが手を伸ばして届かない高さかも確認 |
| 収納場所の奥行き | 押し入れ・クローゼットの上段 | 箱は本体より一回り大きいので余裕を見る |
| 箱のサイズと重さ | 購入前に店舗やサイトで確認 | 高い場所に一人で上げ下ろしできるか |
| こいのぼりの収納 | ポール込みの長さ | 庭用は2m前後の収納スペースが必要 |
メジャーで測った数字をメモしてお店に行く。これだけで失敗の大半は防げます。地味ですが、本当に効きますよ。
購入時期と、失敗しない選び方
五月人形の販売シーズンは、おおむね1月ごろから5月上旬まで。品ぞろえのピークは3月中旬〜4月上旬です。初節句に間に合わせたいなら、飾り始めは春分の日ごろから4月中旬までが一般的なので、3月中には決めておきたいところですね。
逆に「来年から飾ればいい」と割り切るなら、5月中旬以降の在庫処分は数万円単位で安くなることもあります。ただし現品限りで、人気の作りのものは残っていないことがほとんどです。
選び方のポイントは4つに絞れます。
- 置き場所と収納場所を先に測る — これが最優先。届いてから「入らない」は本当に困ります。
- 出し入れの手間を想像する — 毎年のことなので、ワンオペで飾れるかどうかは現実的に考えたいところ。
- 実物を見て「かっこいい」と思えるものを選ぶ — 20年以上一緒に過ごすものなので、直感は意外と大事です。
- アフターサービスを確認する — 弓太刀の破損や小物の紛失に対応してもらえるか、人形専門店なら相談できることが多いです。
初節句の食事・お祝いにかかる費用
五月人形以外にも、当日のお祝いにはそれなりの費用がかかります。とくに初節句は両家を招くことも多く、規模が大きくなりがちです。
| 項目 | 費用の目安 | メモ |
|---|---|---|
| ちまき・柏餅 | 1,000〜2,500円 | スーパーや和菓子店で調達 |
| お祝いの食事(自宅・4人分の材料) | 3,000〜6,000円 | ちらし寿司やお赤飯が定番 |
| 初節句の会食(外食・両家) | 1人5,000〜10,000円 | 6人なら3万〜6万円 |
| 記念撮影(スタジオ) | 15,000〜40,000円 | 衣裳レンタル込みのプランも |
| 菖蒲湯の菖蒲 | 300〜800円 | 5月上旬にスーパーや花屋で並びます |
| お祝い返し | いただいた額の3分の1程度 | 会食でもてなす場合は不要とすることも |
初節句をフルコースでやると、五月人形とは別に10万円近くかかることもあります。「会食は自宅で、撮影はスタジオ」あるいは「外食にする代わりに写真は自分たちで」のように、どこか一つに絞るとバランスが取れますよ。わが家は自宅にお赤飯を用意して両家を呼び、写真は夫がスマホで撮る形にしましたが、それでも十分に思い出に残る一日になりました。
春は入園・入学の準備とも重なる時期なので、節句飾りは年間の特別費として先に積み立てておくのが安心です。貯金目標シミュレーターで目標額と期間を決めておくと無理なく用意できますし、春の出費が集中しすぎていないかは家計簿バランス診断で確認できます。入学準備の金額感は入学準備にかかる費用一覧にまとめているので、あわせてどうぞ。
よくある質問
Q. 五月人形とこいのぼり、両方そろえないとダメですか
どちらか一方でもまったく問題ありません。もともと五月人形は「家の中に飾る内飾り」、こいのぼりは「外に立てる外飾り」で役割が違うものです。住宅事情から五月人形だけ、あるいは室内用の小さなこいのぼりだけというご家庭は今とても多いですよ。
Q. 兄弟がいる場合、2つ買うべきでしょうか
本来は「一人にひとつ」という考え方がありますが、収納の問題から共有する家庭も多くあります。折衷案として、下の子には小さめの兜や名前旗、木目込みの飾りを買い足すという方法が人気です。無理にもう一式そろえる必要はありません。
Q. パパの五月人形を受け継いでもいいですか
「厄を引き受けるものだから受け継がない」という考え方が伝統的にはありますが、現在は受け継ぐご家庭も普通にあります。人形専門店で手入れや修理をしてもらえば、きれいな状態で飾れることも多いです。家族が納得していれば、それが一番だと思いますよ。
Q. いつからいつまで飾ればいいですか
飾り始めは春分の日ごろから4月中旬まで、片付けは5月中旬までの天気のいい乾燥した日を選ぶのが基本です。湿気が残ったまましまうとカビやサビの原因になるので、雨の日は避けてくださいね。雛人形のように「早く片付けないと」という言い伝えは五月人形にはないので、慌てなくて大丈夫です。
Q. マンションのベランダにこいのぼりを出しても大丈夫ですか
まず管理規約を確認してください。手すりへの取り付けを禁止している物件も多く、認められている場合でも落下防止と、風の強い日の取り込みが前提になります。難しそうなら室内用に切り替えるのが現実的です。
まとめ:サイズを先に決めれば、選択肢はぐっと絞れます
五月人形はケース飾りで約3万〜12万円、兜のみの平飾りで約5万〜20万円、鎧飾りなら約10万〜40万円が一つの目安。こいのぼりは室内用の数千円からベランダ用の数万円、庭用の本格セットなら10万円を超えてきます。
幅が大きく見えますが、飾る場所と収納場所のサイズを先に測ってしまえば、選べる範囲は自然と絞られます。そのうえで、実際に見て「かっこいいな」と思えたものを選べば、まず後悔しません。毎年出すたびに子どもの成長を感じられる、そういう存在になってくれるはずです。女の子の節句飾りについてはひな祭りと雛人形の費用ガイド、春のお出かけ費用は家族のお花見費用ガイドもあわせてご覧ください。