「年収は上がらないのに、手取りは減っていく…」
社会保険料の値上げ、住民税の負担増…。ここ数年、額面は変わっていないのに手取りだけ減っているという人、多いんじゃないでしょうか。うちも夫の給与明細を見て「また手取り減ってる…」とため息をついた経験があります。
でも実は、年収が変わらなくても「控除」をうまく使えば手取りは増やせるんです。しかもどれも合法的な方法ばかり。今回は、サラリーマン家庭が使える「手取りアップ」の5つの方法を紹介します。
そもそも手取りが決まる仕組み
手取りの計算式はシンプルです。
手取り = 額面 − 社会保険料 − 所得税 − 住民税
この「所得税」と「住民税」は課税所得に基づいて計算されます。つまり、課税所得を下げれば税金が減り、手取りが増えるということ。課税所得を下げる方法が「控除」です。
5つの方法の効果比較テーブル
まずは全体像を見てみましょう。年収500万円・4人家族(片働き)の場合の効果です。
| 方法 | 年間の控除額 | 年間の節税効果(税率20%) | 手間 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| iDeCo | 144,000〜276,000円 | 28,800〜55,200円 | 口座開設が必要 | ★★★ |
| ふるさと納税 | 実質2,000円で返礼品 | 食費削減で年3〜5万円相当 | ネットで完結 | ★★★ |
| 医療費控除 | 医療費−10万円 | 数千〜数万円 | 確定申告が必要 | ★★☆ |
| 配偶者控除 | 380,000円 | 約76,000円 | 年末調整で申告 | ★★★ |
| 住宅ローン控除 | ローン残高の0.7% | 最大数十万円 | 初年度のみ確定申告 | ★★★ |
全部使えば年間10万円以上の手取りアップも十分可能。1つずつ詳しく見ていきましょう。
方法1:iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoとは
自分で老後資金を積み立てる制度で、掛金が全額所得控除になります。つまり、掛金分だけ課税所得が下がり、所得税と住民税が安くなるんです。
掛金別の節税効果
| 月額掛金 | 年間掛金 | 節税効果(税率15%) | 節税効果(税率20%) | 節税効果(税率30%) |
|---|---|---|---|---|
| 12,000円 | 144,000円 | 21,600円 | 28,800円 | 43,200円 |
| 15,000円 | 180,000円 | 27,000円 | 36,000円 | 54,000円 |
| 20,000円 | 240,000円 | 36,000円 | 48,000円 | 72,000円 |
| 23,000円 | 276,000円 | 41,400円 | 55,200円 | 82,800円 |
会社員の上限は月12,000〜23,000円(企業年金の有無で変わる)。60歳まで引き出せないデメリットはありますが、老後資金を貯めながら節税できるのは最強のメリットですよね。
方法2:ふるさと納税
実質2,000円で食費を大幅カット
ふるさと納税は、好きな自治体に寄付すると寄付額−2,000円が翌年の住民税から控除される制度。しかも自治体から返礼品がもらえるので、お米やお肉を選べば食費が年間3〜5万円浮きます。
年収500万円・片働き+子1人なら、限度額は約49,000円。つまり実質2,000円で約49,000円分の寄付ができて、返礼品は寄付額の3割=約15,000円分のお米やお肉がもらえるということです。
ふるさと納税のコツ
- お米の定期便が最強:60kgのお米を実質2,000円でもらえることも
- ワンストップ特例なら確定申告不要:5自治体以内なら書類を送るだけ
- 楽天ふるさと納税でポイント還元:お買い物マラソンと組み合わせると実質マイナスになることも
まだ始めていない方は、まず限度額をチェックしてみましょう → ふるさと納税限度額計算ツール
方法3:医療費控除
年間10万円を超えたら確定申告
家族全員の医療費が年間10万円を超えた場合、超えた分が所得控除になります。子どもが小さいと、風邪・中耳炎・歯の治療などで意外と医療費がかさむんですよね。
対象になるものは意外と幅広いです。
- 病院の治療費、薬代
- 通院の交通費(電車・バス。タクシーは緊急時のみ)
- 歯列矯正(子どもの場合は対象になりやすい)
- 出産費用(出産一時金を差し引いた自己負担分)
- レーシック手術
- 処方箋の薬局での薬代
年間の医療費が15万円なら、控除額は5万円。税率20%で年間10,000円の節税になります。金額は大きくないですが、確定申告するだけなのでやらない理由がありません。
方法4:配偶者控除・配偶者特別控除
パートの年収を把握しておく
配偶者の年収が103万円以下なら38万円の所得控除(配偶者控除)、103万円超〜201万円以下なら段階的に控除額が減る「配偶者特別控除」が使えます。
税率20%の場合、38万円の控除で年間約76,000円の節税。これは自動的に適用されるわけではなく、年末調整で「配偶者控除等申告書」を提出する必要があるので、忘れずに出しましょう。
年収の「壁」に注意
| 壁の金額 | 影響 | 手取りへの影響 |
|---|---|---|
| 103万円 | 所得税がかかり始める | 数千〜数万円の負担増 |
| 106万円 | 大企業なら社会保険加入 | 年間約15〜20万円の負担増 |
| 130万円 | 社会保険の扶養から外れる | 年間約20〜25万円の負担増 |
| 150万円 | 配偶者特別控除が減り始める | 段階的に控除額が減少 |
| 201万円 | 配偶者特別控除がゼロに | 控除なし |
特に130万円の壁は影響が大きいです。年収129万円と131万円で手取りが逆転する現象が起きるので、パートの年収は計画的にコントロールしましょう。
方法5:住宅ローン控除
最大13年間、ローン残高の0.7%が戻ってくる
住宅ローンを組んでいるなら、年末のローン残高の0.7%が所得税から直接控除されます(税額控除)。ローン残高が3,000万円なら年間21万円。これは控除の中でも破格の効果です。
初年度だけ確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で完結します。すでに住宅ローンを組んでいるのに控除の申告を忘れている方は、過去5年分まで遡って申告できるので今すぐチェックしてください。
まとめ — 使える控除は全部使おう
手取りを増やすために必要なのは、転職でも副業でもなく「控除を全部使い切ること」。特にiDeCoとふるさと納税は、まだやっていないなら今すぐ始めるべきです。2つ合わせて年間5〜10万円の手取りアップが期待できます。
まずは自分のふるさと納税の限度額を調べるところから始めてみましょう → ふるさと納税限度額計算ツール